あるプロジェクトの打ち合わせにて。
しっかり準備して、自信を持って臨んだけど、
反応は・・・いまいち。
もちろん落ち込むし、
「あれだけ考えたのに、なぜ伝わらなかったんだろう」
と自問自答する。
相手のせいにするのは、簡単だ。
「きっと新しいことを受け入れるのが苦手なんだ」
「この良さが分からないのは仕方ない」
そんな風に思えば、
少しは気が楽になるかもしれない。
でも、それはちょっと違うと思っている。
まず、そもそも伝わらなかったのは、自分の責任。
本当に届けたいと思っているなら、
「どうすれば届くか」を考え続けるしかない。
その工夫が足りなかっただけ。
もっと言えば、
相手の立場に立ちきれていなかったのかもしれない。
だからこそ、自分は“受け取る側”でありたい。
今回の経験を通して、あらためて思った。
自分は、いつまでも「新しいものを受け入れられる人」でなければいけない。
変わったこと、見慣れないことに対して、
「それ、いいかも」って思えるような感性を持っていたい。
受け入れるって、柔らかくて強い。
もちろん、全部を受け入れる必要はない。
でも、頭ごなしに拒否する前に、
「その先にある価値」をちょっとでも想像できたら、
暮らしはもっと面白くなる。
設計って、実は“受け取る力”かもしれない。
設計は「提案する側」に見られがちだけど、
本質はむしろ「受け取ること」。
住む人の言葉、気持ち、表情、ためらい。
そこにある“まだ言葉になっていない想い”を
ちゃんと感じ取れるかどうか。
そうやってできた住まいは、
自然と“やさしい空気”をまとっている。
建築やデザインの世界にいるからこそ、
ずっと変化と向き合ってきた。
そしてこれからも、
自分自身が「変わり続ける人間」でありたい。
そのために、ちゃんと受け取って、
ときには揺れながら、
自分の「軸」を見つめなおしていきたい。
さて、あなたは、どんな新しさを受け入れたいと思いますか?
そして、どんな未来を、自分の暮らしに招き入れたいですか?