「好き」に正直に暮らす。

今日も歩いて事務所に向かう。

朝、ゆっくりと珈琲を淹れる。
豆を挽く音、立ちのぼる香り、
そしてドリップしているあいだの静かな高揚感。 この数分間が、どれほど豊かな時間かを知っている。
壁紙は自分でせっせと剥いで、DIYで塗り壁に変えた。
好きな香りを漂わせる中、グリーンの葉がそっと揺れている。 この空間でスケジュールを整理したり、
静かに考え事をしたりするのが、いつもの日常。 住まいも、同じだと思っている。 大きくなくていい。
予算は限られている。
自分の「好き」が分かっていて
その「好き」に、正直に暮らすことが大切。 毎日、朝がくるのが楽しみになるような。
ささやかでも、自分だけの“居場所”を持つことの喜び。 誰かの価値観にただ流されるのではなく、
自分の感じ方や心の声を大切にしている人。 あるいは、これからそうして生きていきたい人。 数字や大きさでは測れない、
“心地よさ”や“丁寧さ”を選びたい人へ。 そんな人にとっての「住まい」を、丁寧に設計したい。
暮らしの中で、ちゃんと深呼吸ができるような空間を。 マイナスデザインが向き合いたいのは、
そういう“豊かさ”です。