「美しい」は、空気でできている。

20年ほど前のこと。

友達が留学していたアメリカ・シアトルに遊びに行ったとき、
たただ街並みを歩きながら、なんだかずっと写真を撮っていた。 そこに映るのは、ごく普通の街の風景。
特別な建築でも観光地でもないのに、なんだかやけに綺麗だった。 そのとき、ふと思った。
「きれい」とか「美しい」って、物質のことだけじゃなくて
感じかたなんだな、って。 美しさって、建物そのものよりも、
空気のにじみ方とか、光の入り方とか。
何気ない風景に、ふと湧いてくる感情なんじゃないかと。 美味しかった食べ物も。
あたたかかったコーヒーも。
たぶん街がそう感じさせてくれた。 あの経験が、今の設計思想の原点になってる。
だからきっと、僕がつくりたい家は「空気のきれいな家」。 どこか力の抜けた、整いすぎていない景色のなかで、
ふっと肩の力が抜けるような、
そんな暮らしをつくりたいと思っている。 マイナスデザインは、
空気ごと、風景ごと、暮らしを設計しています。 あなたの「美しい」は、どんな空気からできていますか? そんなことを考えながらつくる住まい。 それだけでもわくわくしますね。