最近はSNSで家の写真を見る機会が増え、
“映える家こそ良い家”という空気もあります。
ですが、実際に多くの住まいを設計し、
住み手の声を聞いてきた経験から言うと、
映える家=暮らしやすい家とは限りません。
■ 映える家が抱えやすい3つの落とし穴
1. 生活動線が写真基準になってしまう
写真として見栄えは良いけれど、
実際に歩く・座る・片づけるとなると不便になることがあります。
2. 生活感を隠しすぎて維持が大変
見せない収納、生活感ゼロのキッチン、
すっきりしすぎたリビング。
それを毎日キープするほうが負担になってしまうケースも多いです。
3. 心が落ち着かない素材・色使い
無機質な真っ白空間が映えるのは写真の中。
実際には温度感がなく、落ち着かないと感じる人もいます。
■ 暮らす人に合った「美しさ」は別にある
本当に心地よい家は、
写真より“あなたの呼吸”に合わせて作られています。
・手触りがいい素材
・自然に片付くレイアウト
・気を張らなくても整う空間
・静けさや余白を感じられる色使い
こうした要素は、意外と派手ではありません。
でも住むほどに「これで良かった」と実感できる部分です。
■ SNSより、あなたの暮らしを優先してほしい
写真は一瞬。
暮らしは連続。
だからこそ家づくりでは、
映えではなく“自分たちの心”に合う設計を選ぶべきです。
あなたのライフスタイル、
性格、家族の距離感、心が落ち着く色や素材。
その全部を受け止めてくれる家こそ、
本当に美しい家だと思います。