灯りの居場所

夜の家を歩くとき、
足元を照らす灯りがあるだけで、
不思議と心が落ち着くことがあります。 照明は単なる「明るさ」ではなく、
人の感情や行動をやさしく導く心理的な装置です。 たとえば、玄関の灯りは「おかえり」と迎えるサイン。
ダイニングのペンダントライトは、食卓を“場”として整える印。
そして寝室のスタンドライトは、
一日の終わりをやさしく包み込む“静けさの予告”です。 灯りの明るさや色温度、照らす角度が変わるだけで、
空間の温度も、心の動きも変わります。
強い光は目を覚まし、弱い光は心を沈める。
その“加減”こそが、照明設計の本質です。 灯りの居場所を整えることは、
暮らしのリズムを整えること。
それは、夜を静かに導くためのデザインでもあります。 「明るすぎない」場所にこそ、
人は安心して呼吸できる。
そんな灯りをひとつ、置いてみることをお勧めします。

MINUS DESIGN BLOG

心に残る空間づくり。
自分たちらしく暮らすために、
どんな住まいがあってほしいか。
そんな問いを一緒に考える、
マイナスデザインのブログです。