庭の記憶

家を建てるとき、
建物の間取りや素材には多くの時間をかけて考えますが、
「庭」については後回しになりがち。 けれども本来、庭は「建物の外」にあるのではなく、
“暮らしの延長線上”にある空間です。
そして、そこには時間の記憶が刻まれます。 1)庭は、家の呼吸を助ける場所 植物が風を受け、影を落とすことで、
建物は静かに呼吸を始めます。
窓から見える緑の揺れは、
室内に「動く光」を届け、
心の温度を整えてくれます。 つまり庭は、単なる景色ではなく、
建築と自然が会話する場なのです。 2)手を入れるたびに生まれる「愛着」 庭の魅力は、完成ではなく「変化」にあります。
季節によって草花の姿は変わり、
枝の影が伸びたり、落ち葉を拾ったりする。 その繰り返しの中で、
住む人は“自分の手で育てる”という実感を得ます。
愛着とは、手をかけた時間の積み重ねです。 3)庭づくりは、家族の記録になる 春に植えた木の下で写真を撮り、
夏には日陰で子どもが遊び、
秋には落ち葉を掃きながら話をする。 そんな何気ない行為が、
家族の「記憶」として庭に染み込んでいきます。
庭は、暮らしのアルバムのような存在です。 4)“時間のデザイン”としての庭 マイナスデザインでは、
庭を「装飾」としてではなく、
時間とともに美しくなる空間として考えています。 手を入れるたびに家が呼吸をし、
季節が変わるたびに思い出が増える。
そんな庭がある家こそ、
本当に“生きている家”だと思うのです。
今日も、庭が小さく息をしている。
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MINUS DESIGN BLOG

心に残る空間づくり。
自分たちらしく暮らすために、
どんな住まいがあってほしいか。
そんな問いを一緒に考える、
マイナスデザインのブログです。