見えないものをつくる仕事

住まいとは、空気なんだと思って設計しています。

もちろん、機能性や間取り、コスパや動線も大切。
でもそれ以上に、「なんか、ここにいると落ち着くなぁ」とか 「理由はわからないけど、居心地いい」って感じる、あの“空気感”こそが、 暮らしに本当の豊かさをもたらすと思っています。 その空気をつくるのは、素材のざらつきや陰影、光の入り方、音の響き方…。
デザインとは、“感じるもの”であると。 じゃあ、これからの住まいはどうあるべきなのか?
建築として、デザインとして、どう暮らしに寄り添っていけるのか? そんなことを、自分なりに考えてみました。 「家を建てる時」考えることというと、形や大きさ、素材や設備など、 目に見えるものを思い浮かべる方が多いでしょう。 もちろん、それも大切です。 でも僕が本当に設計を通してつくりたいのは、目に見えないものです。 たとえば、陽の入り方で気持ちが落ち着く時間ができたり、 窓からの抜けが気持ちを外へ開いてくれたり。 「なんとなく居心地がいいな」と思える空間には、言葉では説明しにくい「空気感」があります。 それは図面だけでは描けないし、スペック表にも書き込めない。 けれど確かに存在するものです。 だからこそ、余白をどう残すか。 どこまで削ぎ落として、どこに温度を残すか。 シンプルな設計であっても、素材の持つ質感や時間の流れに耐える力、 暮らしの中で育っていく豊かさ…そういうものを考え抜いて空間をかたちにしていきたい。 建てた瞬間が完成ではなく、住みはじめてから少しずつ完成に向かって育っていく家。 そんな住まいを、これからもていねいにつくっていきたいと思っています。

MINUS DESIGN BLOG

心に残る空間づくり。
自分たちらしく暮らすために、
どんな住まいがあってほしいか。
そんな問いを一緒に考える、
マイナスデザインのブログです。