いま、外は雨が降っています。
しとしとしとしと…
事務所前の通りはそんなにたくさん車が走る通りではないけれど
車が走り去るたびに「シャャャー・・・」って、タイヤが濡れた路面を鳴らして行く。
その音が何とも心地よく感じます。
事務所の窓ガラスは摺りガラスなので外の様子は分からないけど
この音が聞こえてくると、どしゃ降りじゃなくても「あ、降ってきたな」って分かる。
雨というだけで無条件に毛嫌いする人が多いように思いますが
私は雨の音や匂い、このジワーっと五感に訴えてくる感じが子供の頃からとても好きです。
雨についてそういう風に別の角度から捉えるだけで、
濡れることも「打たれる」に代わるから何とも不思議です。
子供は雨の日に大人が「ダメだよ」と言えば言うほど、面白がって水溜りに入りたがりますよね。
相反して大人は、濡れた子供をタオルで拭いて、濡れた洋服を選択して、着替えさせて…と
先回りをして色々な面倒事を減らしたい。
どちらが正解とは言えませんが、要はとらえ方一つということ。
ですが意外とこの考え方は住宅設計においても大切なことだと思っていて、
所謂「面倒なこと」や「大人の常識に反すること」だけを意識していると
冒頭の雨のような五感に訴えてくるデザインは、まず先に排除されてしまいがちです。
ですが例えばBBQの醍醐味は仲間や家族と、自分たちでセッティングして、火をおこし、調理して食べること。
もちろん後片付けも大変です。ですがそれ以上にアウトドアを五感で感じながら楽しめること。
もっと言うと
楽しむ為に準備をする。
楽しかったねと言いながら片づける。
そこにコミュニケーションが生まれる。
BBQはむしろ飲食が目的ではなくて、買い出しから、セッティング、焼く、食べる、飲む、そして片付けまでの中にある
プロセスを楽しむための行為とも言い切れますよね。
大切なのは一般的に面倒だと思われていることを疑い、如何にして日常レベルで楽しみに落とし込めるかではないかなーと。
そういう大切なことは忘れずに歳を重ねていきたいものですな。
(と謎の年寄登場w)
雨の「しとしと」という表現にも、同様の意味が込められているような気さえします。
だって風情があって、何とも素敵な表現だと思いませんか?