手触りの良い素材で作る

家の印象を決めるのは、デザインや色だけではありません。

実は「手触り」や「足触り」といった触感が、
暮らしの満足度に大きく影響します。 見た目が美しいだけでなく、
触れた瞬間に「気持ちいい」と感じること。
それは毎日の中で何度も積み重なり、
静かな幸福感につながります。 1)手触りがもたらす効果 人は無意識のうちに、触れた素材から“安心”や“温かみ”を感じ取っています。
無垢材の床は足の裏から体温を返し、
塗り壁は光をやわらかく受け止めてくれます。
反対に、冷たく硬い素材ばかりだと、
どこか落ち着かない空間に感じることも。 素材の手触りは、空間の印象だけでなく、
住む人の感情やリズムにも影響するのです。 2)部位別のおすすめ素材 床材:オーク・ナラ・スギなどの無垢材。
足触りがやわらかく、季節の温度変化を感じられます。 壁材:珪藻土や漆喰などの塗り壁。
手で触れた時の微妙な凹凸が、自然な陰影を生みます。 建具・取っ手:真鍮・アイアン・木製。
経年変化を楽しみながら、使うほどに味が出ます。 家具・布類:リネンやコットン。
自然素材の柔らかさは、人工的な素材にはない安心感を与えます。 3)コストとメンテのバランス 自然素材は確かにコストがかかる部分もありますが、
それを“長く使う楽しみ”と捉えれば、決して高い投資ではありません。 たとえば、無垢の床は小傷も味に変わり、
塗り壁は手入れを重ねるほど風合いが深まります。
「メンテナンスが必要=手がかかる」ではなく、
「時間とともに変わる=暮らしと育つ」と考えると、
家に対する愛着がぐっと増していきます。 4)取り入れ方の工夫
手に触れる部分、毎日使う場所にだけ「良い素材」を使う。
それだけで十分、空間の印象は変わります。 たとえば、
・玄関の床だけ無垢板を使う
・洗面台に左官の質感を取り入れる
・手すりや扉の取っ手を真鍮にする 家づくりは、見た目を整えることではなく、
「暮らす人の感覚」を整えること。 触れて気持ちいい素材は、
毎日の何気ない時間を、丁寧なものに変えてくれます。
マイナスデザインは、「感触から考える家づくり」を大切にしています。

MINUS DESIGN BLOG

心に残る空間づくり。
自分たちらしく暮らすために、
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