私がいつもそばに置いている一本のペンシルがあります。 FABER-CASTELLの「e-motion Pearwood Brown ペンシル」。 独立する前に勤めていたデザイン事務所の所長が、この木軸で太芯のペンシルを愛用されていて その所長が描く線が、とても好きでした。 ただの線なのに、そこに温度や意思が宿っているように感じていました。 「自分もいつか、ああいう線が描けるようになりたい」 そう思い、独立したての頃、まだお金に余裕はなかったけれど、 自分への決意のような気持ちで思い切って購入したのを今でも覚えています。 以来、打ち合わせでも、事務所でも、スケッチでも、落書きでも。 いつも手にしているのはこのペンシルです。 長年使ううちに「FABERCASTELL」の刻印はすっかり消え、木の部分の色も深く焼けたように変化しました。 でも、それも含めて今の私にとっては宝物のような存在。 自分の線や思考をいちばん知っている相棒だと思っています。 これはもう、いつまでも手放すことはないでしょう。 住まいも新築だろうと、中古であろうと、こういう風に長く 大切に愛着を持って付き合えるとそれだけで素敵だと思います。 …あなたにも長く付き合いたい、もしくは長く付き合っている一品はありますか?
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MINUS DESIGN BLOG
心に残る空間づくり。
自分たちらしく暮らすために、
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