心で感じる、設計の話

目に見える「形」や「素材」も大切だけれど、
それ以上に僕が大事にしているのは、
“感じ方”の部分です。 たとえば、
朝の光がふわっと入ってくる窓。
季節の風が通り抜けるような通路。
家族の声が遠すぎず、近すぎず届く距離感。
静かな雨音が、かえって心を落ち着かせてくれる軒のある空間。 そういう心で感じる快適さって、
図面には描けないし、数値では測れないけど、
ちゃんとそこにある。 家を設計することって、
ただ箱をつくることじゃなくて、
「その人らしさが、自然に出るような余白」を整えること。 家族と、静かにお茶を飲む時間。
一人で、本を読む午後。
子どもと、なんとなく笑い合う日常。 そんな時間の“質”を育てる空気を、
僕はつくりたいと思っています。 「なんとなく、落ち着く」
「なぜか、ここが好き」
その理由が説明できなくてもいい。 感じることを、大事にしたい。
そんな設計を、これからも。