20年ほど前、サラリーマンでインテリアパースを手描きしていた頃。
その時社長に、こう言われました。
「君は絵がとても上手だね。
でもね、絵は余白もデザインしないといけないんだよ。
額に入れた時の構図まで考えて、初めて“絵”になるんだ。」
この言葉が、今もずっと頭の片隅にある。
住まいを設計するときも、同じ。
“余白”は、ただの空白じゃなくて、暮らしを引き立てる大切な余地。
家を建てるときって、
どうしても完璧を目指したくなって、
あれこれと気合いが入ってしまいがち。
でも実は、
“ちょっと物足りない”くらいがちょうどいい。
たとえば、壁に何を飾ろうかな、とか。
季節に合わせて、カーテンやラグを変えてみようかな、とか。
家ができあがった後も、
住まいと少しずつ向き合って、
“暮らしをつくっていく”楽しみを残しておくこと。
それが「インテリアを楽しむ」ということだと考えています。
家は、完成した瞬間がゴールじゃなくて、
住み始めてからがスタート。
暮らしの中で感じたこと、欲しいと思ったものを、
その都度、少しずつ足していく。
その“余白”こそが、日々を豊かにしてくれる。
そして何より、
「これが自分たちの家だな」って、
少しずつ馴染んでいく過程そのものが愛おしい。
最初からすべてを完璧にしなくていい。
ちょっとだけ不完全で、ちょっとだけ自由でいい。
自分たちの“好き”を、
これからじっくりと見つけていけるような家。
マイナスデザインは、
そんな「暮らしの余白」を大切に考えています。
暮らしの答えは、いつも自分の中にあるのかもしれません。
少しでもヒントになった方は、お気軽にお問い合わせくださいね。