キッチンの動線設計

キッチンは、毎日必ず使う“暮らしの中心”です。
見た目のデザインよりも先に考えたいのが「動線設計」。
小さな動きの積み重ねが、家事の効率と心の余裕を左右します。 1) 三角形動線の現実 昔からよく言われる「三角形動線(シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ三角形)」は、
確かに基本として有効ですが、現代の暮らしではそれだけでは不十分です。 調理家電やゴミ箱、食洗機など、
「三角形の外」にある動きが増えています。 つまり、動線を“三角”で考えるより、
「一連の流れ」として考えることが大切。 買う → 収納する → 調理 → 配膳 → 片付け → ごみ出し
この“流れの線”が途切れないように配置することで、
家事のストレスが大幅に減ります。 2) 収納配置のコツ 収納は「しまう場所」ではなく「使う場所の隣」に配置するのが基本です。 ・調味料はコンロ脇
・食器は食洗機からワンステップで
・ゴミ箱は調理台の延長線上 たったこれだけでも、無駄な動きが半分に。
“収納計画”を動線とセットで考えることがポイントです。 3) 家族で使うキッチン設計 最近は「二人で立つキッチン」や「子どもが手伝う動線」も増えています。
その場合、通路幅は最低でも**1000mm(できれば1100mm)**を確保。
通り抜けやすく、ぶつからない設計を意識しましょう。 また、調理台の高さも「全員に合わせる」より、
使う人の中心に合わせるのがコツ。
家族の役割に合わせて柔軟に設計することで、
キッチンが“家族の会話の場”に変わります。 4) レイアウト事例 🔹 I型キッチン:動線が一直線。限られたスペースにおすすめ。
🔹 L型キッチン:作業エリアを分けやすく、二人で使いやすい。
🔹 Ⅱ型(セパレート)キッチン:動線が短く、調理と片付けを同時にできる。
🔹 アイランドキッチン:家族やゲストと会話しながら作業できる。 大切なのは、どの型を選ぶかではなく、
「どんな暮らし方をしたいか」を最初に描くことです。 キッチンは“家事をする場所”ではなく、
“家族の暮らしをつくる場所”。 動線が整うことで、作業はスムーズになり、
会話や笑顔が自然と増えていきます。 家づくりの中でも、
「台所の流れ」は最も効果が実感できる設計テーマです。 👉 一緒に“流れるキッチン”を考えてみませんか?
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