本当に世の中の、時の流れは速いものだとつくづく感じます。

つい先日正月が来たかと思っていたのに、数日前には妻とお花見をしていましたw❀

あっという間に盆がきて、また正月を迎えるのでしょうね。

 

すまい設計のご依頼をいただく際、顔合わせが済んである程度お話が進むと

お客様のご自宅へ足を運ばせていただくようにしています。

「では次はご自宅にお邪魔してもよろしいですか?」と言うと、

「え!?散らかっていますけど…」と言われることが比較的多いです。

 

例えば私がご主人のお仕事関係者でとてもお世話になっている方だったり、

例えばお子さんの通う学校の恩師でとても御恩を感じている方などであれば

綺麗な状態でお迎えするのが、大人の礼儀というものでしょう。

 

でも私、ただのおじさんですw

しかも先に述べたような「非日常」の状態よりはむしろ「いつもの」「通常運転時の」

お住いの状態を拝見させていただきたいので、それでいいんです。

 

実は散らかっているか、散らかっていないかには全く興味はなくて、

今現在「どんな生活をされているのか」また、その住まいが生まれ育った家ならば

「これまでどんな住まいで暮らしてきたのか」など、その住まいを通して

これまでのルーツを見て、感じることがあなたとの意識や感覚の共有をする上で、

とてつもなく大事だと思っているからなんですね。

 

「明るいほうがいいです」とご要望をいただいた時、ではあなたの言う「明るい」がどの程度のことなのか

その共通言語の基準があるだけで、提案の際にもグッと説得力が増しますし、

同様に「狭い」や「広い」といった、個々の空間のとらえ方にもおいてもとても有効です。

 

料理の配膳、家族の距離感、家事動線、趣味、インテリアの思考、好き嫌い、過去や未来、等々。

 

「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言いあててみせよう」

 

とまでは流石にいきませんが、何となく体で小さなことまで感じることができるし

その“感覚”こそが、心地の良い住まいづくりにはとても重要だと考えています。

 

あ、ちなみに勝手にいろんな所に手を伸ばして開けたり覗いたり…

当たり前ですが礼儀と常識は弁えていますので、どうぞご心配なくw

 

10年、20年前と住まいの打ち合わせも変わりました。

当時はまだどちらかというと、雑誌やカタログを所狭しと広げながらお話をすることが多かったのですが

今はお客様からスマホの画面を見せられて「こんな感じが好きなんです」と言われることもしばしば。

とても便利ですし、私自身も同様にスマホやタブレットを利用したご提案もしています。

 

ただ、視覚ばかりに頼ってしまっては、脳に騙されてしまうかもしれません。

 

どんなものにも一長一短ありますので、便利さやモノゴトの側面だけにとらわれない

シンプルに身体が心地よさを感じる住まいづくりを常に心がけるようにしています。